S氏より依頼されたヴァイオリン製作を本日より本格的に開始しました。これらの記録は このサイトの ‘自作弦楽器’ のページで随時掲載しようと思います。
2016-10-24 Joseph Naomi Yokota
S氏より依頼されたヴァイオリン製作を本日より本格的に開始しました。これらの記録は このサイトの ‘自作弦楽器’ のページで随時掲載しようと思います。
2016-10-24 Joseph Naomi Yokota
Baroque neck block. It is asymmetric.
it’s beautiful!
2016-10-23 Joseph Naomi Yokota
ヴァイオリン のネック部が振り子のように揺れてくれれば さぞ凄い響きが生まれるかもしれません‥ 。
このヴァイオリンは ジェローム・チボヴィーユ・ラミー( Jerome Thibouville Lamy 1833- 1902 )が設立した J.T.L.社( Jérôme Thibouville-Lamy & C. ) のフランス東部 ミルクールにある楽器工場で 1/4サイズ( 267.0mm )の上級品として製作されました。私は 1902年頃にフランスで製作されたと考えています。
そもそもこのヴァイオリンは 私が 20年程前に販売したものですが、その 2年後のネック折れは衝撃的でした。
このヴァイオリンは 製作されて 90年程の期間 ネックが折れなくて使用出来たのですから個人的には評価しようと思いますが‥ 私にはこのやり方は真似ができません。
この J.T.L. ” Le Parisien ” シリーズは 1901年版カタログで 1/2と3/4サイズが登場し、1/4サイズは 翌年の 1902年版と1907年版に掲載されているのを私は確認しましたが 下にあげさせて戴いたように1912年版では すでに製造が中止されたのがわかります。
それから関連資料が少ないため断片的な情報による推測ですが 私が以前読んだ資料に1909年頃にミルクール工場で火災に伴う大幅改変があった記述を目にしましたので、この 1/4 サイズ( 267.0mm ) ” Le Parisien ” シリーズは 1902年から1909年の期間製作されたのではないかと個人的には 思っています。
1867年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1867_2.htm
1901年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1901_1.htm
1912年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1912.htm
1919年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1919.htm
2016-10-21 Joseph Naomi Yokota
縦方向に拡大したことで ‘へり’の起伏が見えるでしょうか‥ 。
2016-7-21 Joseph Naomi Yokota
私が製作した ‘悲しい失敗例’ で 3つの要素をお話しすると、まず ① の重心は重さがそれなりにある事が重要です。形状としても 赤矢印で示したスペースはしっかり確保した方がよいと思います。
それから ② としてある部分は特にですが‥ 駒の足幅は 太いとあまりいいことがありません。
そして ③ として示したゾーンは幅がありすぎると年輪方向に曲がりが起こりやすくなり、4本の弦の振動が干渉しやすくなりますので狭くしたほうが賢明です。
この結論は 左端の市販品のオベールデラックスなどを用い、 私があげた条件で削り込んでみると実証できます。
2016-10-19 Joseph Naomi Yokota
改めて言うまでもなく駒は重要だと‥ 私も思います。
私は 色々なタイプの駒を自作して検証した結果、右端の50年程前に読響の方が購入したチェロに取り付けられていた駒が 最も優れていると思っています。
駒の概略ですが 赤字は厚さで、白字は幅を表しています。
自作チェロ駒は 手間がかかり当然高価ですが、材木のクセが取り込めるので 音響上の効果は絶大です。
この駒にめぐり合えたことを神様に感謝したいと思います。
2016-10-19 Joseph Naomi Yokota
皆さんは ヴィオール・オイル( Viol )をご存じでしょうか。ポリッシュオイルでは定番の ドイツ製の磨き油です。なお、現在の税込定価は 2,160円となっています。
穏やかなポリッシュオイルで 成分的にも安定しているため、弦楽器工房はもとより 多くの演奏家にも愛用されています。
この ヴィオール・オイル( Viol )の一般的な使用法は 柔らかい布に少量をしみこませ ニス部に塗布して、その後に別の柔らかい布でふき取るように磨きこみます。
残念ながら 効力が続くのは 2~3日ですが、ヴィオール・オイルで丁寧に楽器全体をみがくと、明らかに音色が良くなる場合が多いようです。
さて本題ですが、私は 皆さんに この ヴィオール・オイル( Viol )を綿棒で下のように塗ることで響きが改善することを確認していただきたいと思います。
実験は簡単です。綿棒を使って 私が 【 No. 2 model 】と呼んでいる図の 14本の赤線部に ヴィオール・オイルを線状に塗布します。
上写真のように 紙定規を使えば なおさら良いですが、私の経験では フリーハンドでも十分効果があると思います。
煩雑に見えるかもしれませんが 下の写真の白字の番号順で、ヴィオール・オイルを塗布するのに必要な時間は 約1~2分位だと思います。
また チェロやビオラでは この【 No. 3 model 】の方がバランスがよい場合も多いようです。
皆さんに この塗り方の劇的な効果を楽しんでいただければ幸いだと思います。
2016-10-19 Joseph Naomi Yokota
弦楽器工房の関係者でも ご存じな方がすくないようですが、『 オールド・バイオリン 』などの弦楽器ヒール部は ヘッドのゆれを留めにくいように製作されていたようです。
特にヒール・カーブは確認しやすいですので調べてみてください。
そもそも、『 オールド・バイオリン 』などの継ぎネックのときに 「 ??? 」という経験をされた方は多いと思います。
そういうことで‥ 私は 摩耗でこの形状になることは 100% 無いと信じています。
2016-10-19 Joseph Naomi Yokota
これは私が 12年前に販売したもので、所有者の方の希望により側板幅の復元を中心とした整備を先日、 総費用 ¥ 1,000,000- で行なったものです。ニス補修前の資料写真ですから 側板の裏板側の復元部が 分かりやすいと思います。
この楽器は 私が販売したときには すでに内部の表板側ライニング幅が 5.0 ~ 6.2mmに対して 裏板側ライニングが 2.0mm以下となっていたり、側板幅に対してエンドピン穴が不自然な位置となっていて 製作時より削られ改変されているのがあきらかでした。
もちろん それは販売価格にも反映されていましたので 承知のうえで所有者の方は購入してくださいました。
それでも このヴァイオリンは 楽器としての性能が良好でしたので 購入者の方は10年以上の期間、 購入時の状態で愛用されていました。
ところが、その後に 私の自作ヴァイオリンを購入され弾き比べるうちに 「 新品でオールドの音がさせられるという事は、はじめに購入した『 オールド・バイオリン 』はもっと凄い音がさせられますよね!」とお考えになり、「 この際ですから 費用は構わないので 徹底的な整備をお願いします。」となりました。
因みに この方は 原子炉技術関係者なので「 響胴内の空間形状を考えると‥ 側板は 調和可能な最大値としてください。」とのことでしたので 私がこの数値を決定しました。
さすがに側板のほかに ブロック入れ替えやライニング、継ぎネック、バスバー交換、指板、ナット、サドル、駒、魂柱の作り直し、表板ブロック部修復や ペグ、テールピース、エンドピン交換など‥ 考えられるすべての変更をおこないましたので 組み立てて響きを確認するまで私は緊張し続けました。
しかしそれらは、整備後の音を聞いた瞬間に報われました。
それは 大きな達成感を私にもたらし、依頼者を十分に満足させるものでした。
それにしても 表板アーチが 20.7mm、裏板アーチが 19.1mm のヴァイオリンで 、側板幅がネック側 29.7mm で、エンド側が 32.9mm は凄かったです‥ 。
2016-10-18 Joseph Naomi Yokota