ヘッドの尾根( ridge )中点位置に印された “中央軸ポイント”です。

ヘッド部 に”S”字型加工 ( “S” shaped ridge )がなされた弓の尾根には 製作時に中央軸を設定した痕跡を持つものがあります。

それらが、製作された地域や時期が異なる弓達に 確認できることから、特定の製作方法で”オールド弓”が作られていたという事実も 暗示されていると言えます。

Jean-Jacques Meauchand ( 1758-1817 )  “Violin bows”

なお、弓ヘッドの中点位置にある”中央軸”に関しては、18世紀の移行期の “Twist”設定から検証すれば 分りやすいと思います。

 

このように 詳細な検証をすると、他にも ヴァイオリン弓と チェロ弓では 演奏弦と接触させる角度が違うことに対応してヘッド尾根線は傾斜角度が選ばれているなどの、複雑な条件設定を知ることができます。

ともあれ、”オールド弓”の性能が人為的に選ばれたという事実が、知的に豊であった時代の証しとなっていることを、私はすばらしい事だと思っています。

 

 

2023-4-11       Joseph Naomi Yokota

 

●  高性能のオールド弓は “twist ” しています。

●  “不安定( 自由度 )”によって得られる豊かさについて

●  “S”字型尾根の画像は “DX”に繋がると思います。