





ふと思い出した 1980年代の話しです。
渋谷に”黒い月”というBARがありました。
今は更地になっている東急デパート本店の向かいで、三階の銅板扉を開くと バーテンダーの梨花子さんが迎えてくれて、静かな時間がすごせました。
扉の右側にはVHSモニターがあり、無音で映像が流されているのですが 時折 音声をONにしていました。
ある日の夜、パントマイム・アーティストのジョーイ・アリアスとクラウス・ノミ( 1944-1983 )さんの 「コールド・ソング」の映像が音声ありで流れていました。彼は 強烈な印象を残し1983年にエイズにより39歳で亡くなったばかりでした。
この曲は、バロック様式の歌曲で、ヘンリー・パーセル( 1659-1695 ) が作曲した「アーサー王」( 1691年 )の中の「The Cold Song」のカヴァーだそうですが、時折 私の頭のなかでフラッシュ・バックします。
「The Cold Song」
汝は何の力か?
私を眠りの底より
起き上がらせる者とは?
しぶしぶ のろのろと
永遠の雪の寝台から
見えぬか、これ程がちがちで
ひどく年老いた姿が?
厳しい寒さにとうてい耐えられぬ…
私は殆ど動けぬ
息もできぬ
私は殆ど動けぬ
息もできぬ
どうか
どうか私を
元の凍てつくままに…
どうか私を
元の凍え死にゆくままに
遠くからですが、「 彼に 平安がありますように。 」祈ります。
Joseph Naomi Yokota