コーナー部側線角度の自由さは どこからくるのでしょうか?

音響的に優れた弦楽器が コーナー部の側線角度を傾斜させ製作されたのが事実であるとする前提には、私自身が すぐに困ってしまいました。

仕組みが分からなかったので、垂直でない設定での弦楽器製作には対応出来なかったからです。

建築家 ガウディが グエル教会の施工にあたり フニクラ( 逆さ吊り模型 ) によってカテナリー曲線の意味を説明せざるを得なかったのと似ているな‥と思いました。

Antoni Gaudí i Cornet ( 1852-1926 )
コロニア・グエル教会 の “逆さ吊り模型”   ( 1900~1908年頃 )

昨日の投稿で 私は、コーナー部の TU側線と 対角の BL側線が”対”として強く傾けてあるタイプが、響胴のねじりが素早そうと思っている‥と書きましたが、このイメージは マリンバの音板でみられる振動現象などを 礎としています。

因みに、側板に関するほかの条件として 側板の幅 ( 高さ )を計測しているときに A位置より B位置の側板幅が狭い楽器がたくさんあることに直面したときに考えたものです。

この B位置の側板幅が A位置より狭いのは、マリンバの音板の”腹”にあたる部分が薄くしてあるのと同じで、『 瓢箪型の響胴をもつ弦楽器は アッパー側とロワー側が “対”でゆれる設計がなされている。』というものでした。

 


Tuning the Marimba Bar and Resonator

マリンバは 振動するときに、音板を吊り下げる紐が “節”として機能していますが、チェロなどの場合は アッパー矩形( くけい )部辺りと ロワー矩形部辺りが “節”の役割をしているというものです。

つまり、古の弦楽器製作者が コーナー部の側線角度を意志的に傾斜する組み合わせが出来たのは、尖った先端部分の根元にあたる矩形部辺りが “節”として機能することが解っていたから‥と考えたのです。

また、私は  2003年 9月29日 の 16:45頃に見出した 響胴の振動痕跡を、弦楽器の音響システムに関する仮説を補強するのに使っています。

その時のトレス図では、ニスのひび割れが目視できなかった部分が白く残されていますので、 4か所それぞれのコーナー部付近に “節”として機能したゾーンの白い部分と、動いた部分のひび割れ線の関係が確認できます。

重要なのは、 4つのコーナーのそれぞれが違った揺れかたをしていることです。


●  ヴァイオリンの音は 聴くほかに “見て‥” 知ることが出来ます。

私には、この図で 4か所あるコーナー部付近の様子を照らし合わせると、コーナー部の側線角度の傾斜配分はそれほど難しいことではないように思えます。

【  現在、製作中のチェロ表板のねじり関係プラン図  】

このように コーナー部に関する知見は『 ヴァイオリンなどの失われた技術  』の重要な要素のひとつだったようです。

 

●   オールド・ヴァイオリンのコーナー側線角度は 75%以上の確立で傾斜させてあります。

 

 

 

【 すべてのものは対をなし、一方は他に対応する。】シラ書 ( 42章24節 )

2021-9-27         Joseph Naomi Yokota